世界最大規模のイルミネーション「光の王国」で賑わいを見せるハウステンボス。
夜はそれはそれは盛り上がりますし、昼は別の雰囲気を楽しむことができます。
経営的には良くなっていってるようなのですが、果たしてそれは「良い売り上げ」なのか?
つまり、「一度行ったからもう十分!」ではなく、「また行きたい!」・「他人にお勧めできる!」といった観光客がどれくらいいるのかは気になるところです。
今回は実際に行ってみて分かった、悪い言い方をするとがっかりポイントなのですが、今後に期待したいポイントをいくつか紹介したいと思います。
関連記事>>>光の王国!夜のハウステンボスの凄いイルミネーションを写真に収める
もくじ
ハウステンボスの敷地は平坦ですが広いので、自転車で移動したくなるのは当然です。
で、実際にレンタル自転車もあるので借りられるのですが、システムがちょっと古いと感じます。
1時間で500円〜、のような感じで金額が設定されています。
移動した先で建物に入ったりしても、時間は過ぎてしまいますので実質的に自転車に乗っている時間って短いと思うんです。
もっとどこからでも乗れて、どこででも降りてよい、しかももっと乗りやすい金額を設定してほしいと多くの人は思うはず。
そこで、デジタル時代の、最新の中国のシェアサイクルの事例を紹介しましょう。
簡単にいうと、スマホでどこででも借りられて降りるのも自由。
しかも乗ってる時間じゃなくて1回100円以下の激安価格。
自転車の位置や移動経路はビッグデータ的に溜められていきますので、人の動きが把握できます。
そして自転車の位置に偏りが出てくることが分かれば、自転車回収係が回収して再配置したりして、乗りたい場所で乗れる体験を作ることができます。
スポンサーリンク
ハウステンボスに旅行に来た方なら、ほとんどの方は1day・1.5day・2dayなどのパスポートを買うと予想されます。
多くの施設やアトラクションは確かにこれで無料になりますし、2回目以降有料のものも初回のみ無料で乗れたりします。
ですが、実際に行ってみるとちょいちょいお金を払う場面に遭遇する感じがしました。
例えば、
など。
観覧車については、夜は混むのでまぁ仕方ないと言えますが、せめて人の少なそうな日中は1回無料とかにしても良いんじゃないかと思いました。
昼間なら、光の王国のイベントもやってないわけですし。
テーマパークのパスポート系の価格設定って難しいのだと予想しますが、もうちょっと高めでも「全部いけるやつ」があったら買う人はいるんじゃないかなー、と感じました。
それか、次の対策ですね。小銭を払う機会を無くすのではなく、気持ちよく(高ユーザ体験)でお金を払ってもらう仕組みづくりの話です。
上にも一部リストアップしましたが、有料のものと言えば他にも、次のようなものがあります。
まぁ確かに、セグウェイなどは全ての入場者が使うわけではないので、分かる気もしますが。
ちなみに、VRジェットコースターはパスポートで初回無料なのに、VR逆バンジーは誰でも有料、的な謎な分かれ方もしてました。
で、ユーザー的には小銭を払うのが面倒と感じるだけで、お金が無いわけではないと思うんですよね。
つまり、手間がかかるかどうかが一番の問題。
最近はQRコードを使ったキャッシュレス決済も、(都会では)浸透しつつありますので、長崎のハウステンボスでも今後の伸び代はあると思うんです。
関連記事>>>ローソンでLINEペイを試してみた!スマホを使ったQRコード決済の使い勝手は?
とか思っていた矢先、発見しました!「指先ひとつで決済完了!ハウステンボスマネー」!
そして、「10月30日(火)で終了とさせていただきます」の文字!!
時代を先取りしすぎたのか、サービス終了の流れ。
原因はなんなのでしょう?
実際には全く使ってないので予想になってしまうのですが、LINEペイやPayPayと違って自分のスマホではチャージできないんじゃないですかね。
ハウステンボスにしかない、専用の機械でチャージする感じかと思います。
キャッシュレス決済が手軽になったことでATMを使う人が減っていると思われる昨今で、専用の機械でチャージする作業はATMを使うのと同じくらいの手間がかかるはず。
これからの時代はやっぱり、スマホでチャチャっと出来てしまう時代なのでそこに逆行しないようにしたいですね。
関連記事>>>日中比較!日本のQRコード決済サービスが群雄割拠すぎて笑えるレベル
それともう1点ですが指紋を使うという点で、皆が使う機械をベタベタ触るのは潔癖な人からすると嫌悪感を感じてしまうのかとも思います。
自分のスマホで指紋認証をするのと違い、ATMのようなお金を使う機械で全員が同じ場所をベターッと触る点はユーザーエクスペリエンス的には減点ポイントなのでしょう。
例えば、ハウステンボスで一番高い建物のドムトールン。
ここの展望台はハウステンボス観光するなら一度は登っておきたい場所と言えます。
関連記事>>>風車!花!VRも!ハウステンボスの昼間の魅力・楽しみ方
で、ドムトールンに登るにはエレベータを使うしかないのですが、このエレベーターの入口で案内をしているスタッフの方が、入場者をカチカチとカウントしているのが分かりました。
「バードウォッチング」ですよね。車とか人などの交通量を測定したりするやつ。
とってもアナログな方法のやつです。
結構な人が来るであろうドムトールンでずっとカチカチしてるのかと思うとゾッとします。
不毛な作業というか消耗しがちな作業ですよね。
自分だったら最初の30分くらいで飽きて投げ出してしまいそうな作業です。
カメラを導入するとか機械化するなりして、なんとか無人化・自動化してあげたいと思うような作業です。
従業員のロイヤルティ(ENPS)が気になります。
関連記事>>>まだ顧客満足度アンケートで消耗してるの?これからは「NPS」でしょ!
ハウステンボスに旅行に来る観光客で、電車で来る方はJRハウステンボス駅から来ることになるかと思います。
小さいですがオシャレな雰囲気の駅です。
ハウステンボスのある長崎県佐世保市の電車事情に少し触れておきましょう。
日本各地のJRはそれぞれ交通系電子マネーを導入していますが、九州といえばSUGOCA(スゴカ)です。
が、九州全域で導入されているなんてことは全くなく、下の写真のように佐世保駅やハウステンボス駅のエリアではICカードに未対応なんですよね。ハウステンボス駅では、切符はもちろん駅員さんがきってくれます。(無人駅でないのが幸いか。)
関東や大阪・名古屋などに住んでいるともはや電子マネーのない生活は考えられない人も多いと思いますが、これが日本の田舎の実態なんですよね。
ハウステンボスマネーによるキャッシュレス決済が成功しなかったのもわかる気もします。
キャッシュレスで色々やりたい、社会的な下地がまだ醸成されていない感があります。
逆にいうと、このあたりも含めて伸びシロがあるとも言えますね。
ハウステンボスが中心になって、デジタルトランスフォーメーションをバリバリと推進していくのもありかなと思います。
ロボットばかりの「変なホテル」もその1つと言えるかもしれませんね。
関連記事>>>我が家の長崎・佐世保旅行2018のまとめ
ということで、ハウステンボスに行って分かったユーザー体験の改善ポイントを勝手につらつら書いてきました。
長崎出身の自分的には、久しぶりに帰省したりすると「あ、みんな長崎弁しゃべってる!」と懐かしく感じるのですが、これは客観的に見るとオランダ感・ヨーロッパ感を演出したいハウステンボス的には・・・という気持ちにもなります。
それは置いておいても、長崎って歴史的に海外から新しいものを取り入れる風土があると思うので、今後もうまいこと成長していってほしいですね。
光の王国のようなイベントはイルミネーションが頑張ってくれるので手軽なのかもしれませんが、もっと基本的な点で観光客も従業員もロイヤルティの高い・消耗しないようなテーマパークであってほしいと思いました。